ROHM、最新空間認識·距離測定レーザー光源30%高出力。VCSELモジュール技術確立!

■高精度センシングが必要なモバイル機器の顔面認証システムや産業機器のAGV(無人運搬ロボット)などをターゲットに、2021年3月までの製品化を進めている。 また、車両用ライダ(LiDAR)等に対応

VCSELモジュールアプリケーション例

ローム(ROHM)レーザ光源用VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER。垂直共振器面発光レーザ)の高出力化により空間認識や距離測定システム(TOF, Time of Flight)の高精度化を実現する、VCSELモジュール技術を確立したと9月1日発表した。

従来VCSEL を採用したレーザ光源の場合、光源となるVCSEL 製品と光源を駆動するMOSFET 製品をそれぞれ個別に基板に実装した。 その際、意図しなくても製品間の配線長が光源の駆動時間や出力に影響を与えることになるため、高精度センシングに必要な短パルスや高出力光源を実現するには限界があった。

今回の新技術は、ロームが開発したモジュール用の新しいVCSEL素子とMOSFET素子を1パッケージに集積させモジュール化した。 素子間配線長を極小化することで各素子の性能を最大化させ、太陽光による外部ノイズの影響を排除できる光源の短パルス(10nsec.以内)駆動と、従来構成比約30%の高出力化を同時に達成した。

実際にこの技術を採用したVCSELモジュールは、レーザ光源(VCSELモジュール)、TOFセンサ(イメージセンサ等の受光センサ)、コントロールICから構成される空間認識·距離測定システムで評価する場合、TOFセンサに対する反射光の量も従来構成比約30%増加させることができるため、TOFシステムの高精度化に貢献できる。

ロームはこうした技術を採用したVCSELモジュールを、高精度センシングが必要なモバイル機器の顔面認証システムや産業機器のAGV(無人運搬ロボット)などをターゲットに、2021年3月までの製品化を推進している。 また、車両用ライダ(LiDAR)等に対応する高出力レーザーの技術開発も推進していく予定だ。

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