ファーウェイ、知能型ビームトラッキングアンテナなど革新的に5kmまで伝送されるEバンドソリューション
ファーウェイが従来よりマイクロ波の到達距離が1.5倍に伸びた「Eバンドソリューション」を披露した。 このソリューションは知能型アルゴリズムが適用されたアンテナからビームを安定的に放射し、20 Gbsの高容量性能を提供するため、高速データ伝送が必要な都心部での5Gサービスレベルを高めることが期待される。
華為は先週、中国上海で開かれた20年グローバルモバイルブロードバンドフォーラム(MBBF2020)で、知能型ビームトラッキング(IBT, Intelligent Beam Tracking)アンテナと高出力Eバンドを結合した革新的な5Gマイクロ波ロングリッチEバンド(5G Microwave Long-Reach E-band)ソリューションを発表した。
このソリューションにより、Eバンド伝送距離が3kmから5kmに伸び、20Gbsの容量が提供されるため、移動通信会社の5G構築速度も速くなり、容易に5Gサイト構築が可能となる。
E-バンドは80GHz帯の無線周波数の一つであり、最大20Gbsの高い帯域幅を提供し、高速データ伝送を支える。 E-バンドマイクロ波のような高周波帯域は高い動作(operating)周波数が求められるため、基地局アンテナはアンテナから放射される電波であるビームの角度を少なく形成しなければならない。 また、より大きな直径のアンテナ配置のためには、基地局を安定した状態に保たなければならない。 このため、業界はEバンドでは主に直径0.3mのアンテナを使用した。 しかし、伝送距離が長くなく、大規模な5G構築が制限される短所があった。
ファーウェイの革新的なIBT知能型ビームトラッキングアンテナは、業界初の能動型マイクロ波アンテナで知能型アルゴリズムが適用され、ビームの安定性を維持する。 これに基づいてキャリアはEバンドでも基地局を安定的に構築することができる。 また、アンテナ径0.6mと0.9mの両方を設置可能とし、より大きいEバンドアンテナの設置限界を克服した。 また、Eバンドの伝送電力も従来より約6dB(デシベル)増え、実際の電波受信領域での電力密度を高める。
これらの革新により、E-バンド伝送距離は50%以上伸びて5kmまで到達し、20Gbsの高容量を提供する。
ファーウェイは、「5Gマイクロ波ロングリッチEバンド」ソリューションのこのような長所を基に、都心地域で5G構築をより簡単にし、より高性能な5Gサービスを提供できるものと期待している。
都心部では必要なビーム方向の数も多い。 5Gネットワークは、高帯域周波数を使うが、データを高速に伝送するために、電波が直進性を持たなければならないためだ。 ビームは一方向に放射されるため、高容量トラフィックを処理するためには、それぞれ異なる方向に放射されるビームが多い方が有利である。
ファーウェイが一緒に公開したスーパーハブ(SuperHUB)ソリューションは、多数のビーム方向が必要な状況でもスペクトル効率を2~3倍高める。 単一の周波数においてマルチプレキシング(多重送信)時に放射されるビーム方向数は、6–42GHz 帯域では4 個から12 個に、Eバンド帯域では12 から24 に増える。 これとともに、周波数効率の改善により、キャリアはより低コストでさらに細かく基地局を設置することができる。
華為は5G構築促進のため、伝送距離、スペクトル効率、基地局数拡大を支援する5Gマイクロ波伝送ソリューションを引き続き革新する計画だ。