理化学研究所 富士通研究所新しいAI学習手法「活層分割学習(Stratification Learning)」を開発

データの幾何学的構造を活用する新しいマシンラーニング方法

データの幾何学的構造を活用する新しいAI学習手法を開発した理化学研究所AIP-富士通協力センター

日本の科学省傘下の理化学研究所(RIKEN、以下理研)の革新知能統合研究センター(AIP)と富士通研究所は共同で「理化学研究所AIP-富士通協力センター(RIKEN AIP-FUJITSU Collaboration Center)」を2017年に設立し、人工知能(AI)の技術研究開発を進めている。

同研究チームがデータ空間構造を活用して学習を効率化する新しいAI学習ご飯法「活層分割学習」を開発し、今月7日から12日まで米ニューヨークのヒルトン·ニューヨークミッドタウンで開催されたマシンラーニング·ディープラーニングなど最新AI技術を共有する世界最高権威の第34回米国人工知能学会(AAAI2020、AmericanAssociationfortheArtificialIntelligence)で発表された。 また、これに関する研究論文はアーカイブに昨年9月、「ベジア·シンプレックス·フィッティングの非症状危険度」というタイトルで掲載された。

理研AIP-富士通共同センターでは、多目的最適化問題の解答を効率的にアプローチするための学習技術の研究を行っている。 従来は、複数の目的関数(評価指標)を同時に最適化する多目的最適化問題の解決にアプローチするための方法として、応答曲面の方法があったが、この方法は解集合の幾何学的構造(活層、滑層)が取れず、多くの訓練データ(最適化計算)が必要であった。

本技術が従来よりも少ない訓練データから精密にアクセスできることを実験的に示していたが、その近似程度について理論的な検証はなく、どの程度学習に必要なデータ数を削減できるかは分かっていなかった。

ベジエ団体

ベジエ単体には一様な抽出による近似法と層化抽出(下図参照)による近似法がある。 本研究ではそれらの手法の精度を統計的漸近論(Asymptotic Theory)に基づいて解明した。 その結果、真のソリューション集合が二次ベジに単体で表す場合、層化、stratification 抽出を行うことで、概ね半分(約57.4%)の訓練データから選んだ抽出と同等の精度を達成できた。

層化抽出に基づく学習方法

この技術は、訓練データ(その生成は実験やシミュレーションを伴う高いコスト最適化計算が必要)を削減し、製品設計プロセスを簡素化する。 また、様々な設計案を網羅することができ、革新的なデザインを自動的に発見できる。 研究チームは今後のビジネス課題を対象にした実証実験と製品設計以外にも施設配置問題およびモデリングなど多様な課題への応用も期待していると述べた。

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